6月は無かった
と勘違いするくらい早かった。もう7月も4日過ぎてきっと今年は7月無いはず。
前髪をばっさり切ってヘルメットみたいになった。安全第一ステッカーでも貼ろうかな。
大量にもらったきゅうりをクーラーの効かない部屋でタンクトップ一枚着た私がバリバリ食べる、という姿が夏の定番。
先日きゅうりを大量にもらったのでそろそろ準備をしなければと思っている。
でも今年はようやくクーラーをつけるかな。
暑かろうがなんだろうがどうでもいいわと夏に対して諦めの心だったので、何も動かなかったわけだけど、連日吹き出る鼻血が「さすがに死ぬじゃん!」と私を電気屋へ向かわせる。果たしてクーラーと鼻血が繋がっているかは謎なんだけど。
あついあつい日、都会の住宅地前に敷かれた人工芝の上へおもむろにレジャーシート広げて乾杯をした先日。
私の親しい人の中で唯一飲酒をする彼女がすすめるお酒を数本飲み、歌を歌いながら漬物を食べていたら、通り過ぎるボートレース帰りのおじさん達に手を振られた。
「巷のおしゃれピクニックだとこんなアクション起こされないでしょうよ」と流石に3人ものおじさん(いずれもボートレース帰り)に手を振られたあたりで彼女がそう言った。エクストリーム飲酒寄合。人が働く時間から寝転がって歌をうたい酒を飲むのは尋常じゃないよな、そりゃおじさんも通ずるものがあると手を振ったのだろうよ、と。彼女は決して大声で笑ったり早口で喋ったりせず私たちは8割ヘラヘラしていた。
本当は都会のおしゃれなお店で静かにワインを…という年齢ではあるのだろうけど、芝生に転がり視線の先に居るのは猫だ!と思って近寄ったら剥がれた樹の皮だったりして、もはやそれが人生のすべてを物語ってるわ~と笑った。
理由が無くともよいはずなのに、わざわざ理由をつける為の行動を誰に責められたわけでもないけどついやりがちで座り込んでしまう。
起床、洗濯、食事、入浴、日々必ず行う項目のその延長にあるかのようなそれでいてささくれが治まるおだやかな時間を過ごしたい。芝生を後にし、新しいサンダルを買い、嬉しくて履き替えて、コーヒーをコンビニで手に入れ、なんでもない夕日を観てなんだこれは、愛しくて眠たい空気だなぁって微笑んだりした。そして気がつけばすこやかな心を手に入れたのだった。
すこやかな心、夏を乗り越える力を。