泣いてしまうかもしれない

ちょうど1年ぶりに会う、その事実だけを抱えて過ごしたここ何日間か。

 

きっかけは同じショーに出た事だったけど、そんなことは遠い昔になった10年の付き合いでだけど私は毎回彼女に会うとき「泣いてしまうかもしれない」と思う。

家族のように大切で大好きと慕ってくれる彼女に会える嬉しさがこみ上げて泣きそうになるというのが半分。

もう半分は、果たして私は彼女の横に立って許される存在なのかと突きつけられているプレッシャーである。

背筋がシャンとする。会わない期間私は彼女に見られても恥ずかしくない生活を過ごせていたのだろうか。

自分の将来に向けて着実に進んでいる彼女がもしかしたら遠い存在になっているのではないか…という会ってはじめて実感するその感覚に恐れている。

好きな人には好きだと伝え、しっかり抱きしめて過ごしてきた私は、その不安があったとしてもやっぱり再会した瞬間駆け寄って大きく抱きしめるんだと思う。それしか出来ない。

帰りはもっと違う感情になっているのかな。長野の山奥で響く音に揺れて私は彼女との時間を楽しむ。ただそれだけで良いはずなのに。

泣いてしまうかもしれない。

愛を注ぐ事を惜しまないようにしなきゃ。