どこか遠くで扱われた話

こんなはずじゃないのにな。あれよあれよと涙が出て来てぐずぐずになってしまった。信じていたものが崩れた瞬間、それはほんの数ミリの破損だったとしても一瞬で音を立てて崩壊した。

私が私を大切にしなければ誰が守ってくれるのだろうと強く立ち上がりたい気持ちはあるのに、それが真実なのか信じられなくて怖くてガクガク震えた。

 

個人の楽しみは咎めない。みんな出来るだけ自由であってほしい。思うように動ける世界が広がればいいなと大人になるにつれて強く考えるようになった。でもその為には各々のモラルに判断が問われることが多く、決して自分の当たり前が周りにとってのそれであるとは限らないとずっとずうっと痛いほど分かっていたはずなのに…。

 

明日から私は昨日と同じ感覚で過ごせるだろうか。自分は自分と言いつつ周りの目がものすごく気になる性格で、なるべく自分の話題になるようなことはやめてほしいと生活してきた。

私はそれを職業としているわけじゃない。なぜ一瞬でも許したのか今更後悔しても仕方がない。仕方がないだけで終わらせるのは間違ってると分かっているけど、そこに立ち向かうだけのパワーはもう無い。とても頭が痛くて重たい。いい加減ヘラヘラするのをやめたい。

ショックで声を上げた時にそっと手を差し出してくれた人がいなければ私は動揺して線を超えていたかもしれない。

冷静にはなれないけど、踏み外すことは避けられそう。

 

私は私であって誰のものでもない。それを強くもう一度抱きしめて、わんわん泣いて明日をきちんと迎えたい。大人になればなるほど泣き辛いくせに大人の衝撃は結構ヘビーである。

 

笑ってくれ!私の中の楽しい私よ、はやく笑ってくれ。頼むから力を出してよほんとに…。自分の事を強く保ちたいのに全然無理そうだ。楽しかった思い出を黒いペンキで塗りつぶされてしまった。潰された思い出はもう元には戻らない。